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ソーキのイタリア風 (Polenta con le spuntature di maiale)

1/22/2013

 
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この数日、急に恐ろしく寒い日が続いているイタリア。ここローマも、雪が降るのでは、というほど寒い。
日本の函館と緯度を同じくするローマも、地中海性気候で、約20年に一度、とかの割合でしか雪が降らなかったのに、2010年以降、毎年、雪が降っている。
しかも、雪だるまができるくらいの、本格的な雪が2,3日降り続くのである。
子供たちは、雪で学校が休みかも?また雪合戦できる!とか、大喜びで、雪を待ちこがれてるけど、沖縄育ちの私には寒さはこたえる。
となれば、こんな寒い日には、カロリーたっぷりの「ソーキのトマト煮込み」なるローマの名物料理を作る。
去年の雪の日は、お昼過ぎには近所のお肉屋さんでは、もうソーキ肉が売り切れていたという、ローマの冬の定番料理である。
とうもろこしの粉を一時間以上、太い棒でかき混ぜて作るポレンタを添えて食べるのだけど、このおかゆのようなやさしい味との絶妙な組み合わせ。
たくさん作った残りを、翌日食べるとおいしいところも、なおうれしい。
お肉をよけて、トマトソースの部分ををリガトーニという太いパスタにからめてプリモピアッット、ソーキの残りをセコンドピアットにすれば、また別の味わいになるから不思議。
ポレンタは手に入らないかもしれないけれど、この翌日ヴァージョンで、ぜひ、お試しあれ。


ポレンタ コン スプンタトゥーラ ディ マイヤーレ
 Polenta con le spuntature di maiale

(材料)
豚のソーキ用肉 500グラム
にんじん 小1本
たまねぎ 1/2 個
セロリ 1本
白ワイン 1/4カップ

トマト水煮缶 400グラム
オリーブオイル 適量
塩
とうがらし、ソーセージ(好みで)
ポレンタ
 
(作り方)
  1. にんじん、たまねぎ、セロリをみじんぎりにして、オリーブオイルでいためる。
  2. 豚肉も加え焼き色がついたら、塩、とうがらしをかけ、白ワインも加え、アルコール分を蒸発させる。
  3. トマト水煮缶を濾して(トマトの食感を残したい場合は小さく切ってもよい)加え、弱火で煮る。
    豚肉の表面が隠れるように、トマトが足りない場合は、水を加えてもよい。
  4. 途中で、好みでソーセージを足し、ソーキがやわらかくなるまで、ゆっくり煮る。
  5. ポレンタとともにお皿にもって、パルミジャーノチーズをたっぷりかけて、召し上がれ。
 
実はこのレシピも、「伝統的な」方法では、最初にプロシュットなどの脂身も野菜と一緒にいためるだけど、私は省略して、野菜の分量を増やしてます。
ソーセージは必ず下湯でして油分を落としてから加えるけれど、それでも、かなり濃厚な味ですよ。

ワイン フェスティヴァル Vini nel Mondo 2012 a Spoleto

6/16/2012

 
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ワイン フェスティヴァル
Vini nel Mondo 2012 a Spoleto
 
先日、久しぶりにウンブリア州のスポレートを訪れた。
この中世の町は、夏にオペラ・演劇などの国際フェスティバルが開かれることでも世界的に有名で、小さいながらも、文化的な香りの漂う、素敵な町である。

私たちが訪れた週末はちょうど「第8回VINI NEL MONDO」というワインフェスティヴァルが開かれていた。
サイトの発表によると、今年は150のカンティーネ(ワイナリー)と、1500種の試飲アイテムを提供するレストランなどが参加し、6/1~6/3までの3日間で22万人が訪れたそうである。
一杯いくらというかたちで飲むことも可能だが、参加者の多くは、20ユウロで3日間有効のワイングラス(首からぶらさげる小さな袋付き)を購入する。 
(※購入者は腕に使い捨てのブレスレットをはめて、他人と使い回しできないようになっている)
このワイングラスがあれば、参加カンティーネ、または指定のレストランで、好きなだけワインを試飲できるという、ワイン好きにはたまらない企画である。
しかも、真ん中の土曜日は、「ノッテ イン ビアンカ(直訳すると北欧の白夜、夜にならない)」という夜通しつづくお祭りである。
中世の美しくも味わい深い街並みを、世界中の観光客がワイングラス片手にほろ酔い気分でそぞろ歩きしている様子は、眺めているだけでも楽しくなる。

今回、私たちはスポレートの友人に会うために、日帰りで出かけて行ったので、残念ながらこのワイングラスは購入しなかった。
“せっかくだから一晩中うろうろ飲み明かしたいな”という、年甲斐もない欲望を抱きながらも、友人たちと行きつけのワインバーで、一杯のモンテファルコ・ロッソ(ウンブリア州の代表銘柄)、そしてアンティパストの盛り合わせで、ささやかながらも心地よく過ごした休日であった。

イタリアの簡単な家庭のお菓子

5/8/2012

 
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先日、イタリアの国営放送でも、日本の原発がすべて止まったというニュースがあった。
日本各地で、原発再稼動を阻止するためのデモが行われたらしいが、政府は少なくとも60日はこの状態が続くが、経済の状況を鑑みると、再稼動はやむないという意見である。

しかも、自然エネルギーへのシフトは、現在の日本では、まだまだ難しいとの報道であった。
イタリアは自分たちが脱原発を実現したからか、日本の原発に対する関心はかなり低いのか、ほとんど報道されない。
でも、実際は、フクシマのみならず、もちろん沖縄も、北半球全体が、放射能の影響を大なり小なり被ってしまっていると思う。
しかも、25年前のチェルノブイリ事故が原因で、現在でも北イタリアの方では放射能がキノコから検出されるとか、ポーランド産の安いジャムからは、放射能汚染されているとか、そういう恐ろしい話を聞くが、
チェルノブイリからのセシウム半減期30年、検出されても不思議ではない。
残念だけど。
放射能のみならず、遺伝子組み換え、農薬、添加物、私たちの食にまつわる状況は、知らないだけで実際はホラー映画のようなものかもしれない。
 
だからというわけでもないし、気休めかもしれないが、私はよくお菓子を作る。
せめて、小麦粉、砂糖、卵などの主原料のわかっているものを使いたい。
イタリアのお菓子は素朴で簡単なので、作るのは楽しい、しかも、おいしい、そして経済的。
だから今でも普通に手作りする人がたくさんいる。
この「チャンベッリーネ」も材料がシンプルなだけに、逆に飽きのこないお菓子です。
ローマ風レストランとかで食後のお菓子で出てくることもあり、大人はワインやリキュールににひたして食べる。
もちろん子供も、ぼりぼりそのまま、または牛乳に浸しながら、あっという間に食べてしまう。
イタリア語でチャンベッリーナは小さい丸の意味(複数形がチャンベリーネ)。

この形からきた名前です。
単純な形なので、子供と一緒に作っても楽しいかも。
小麦粉に、全粒粉をまぜたり、砂糖を三温糖や黒糖にかえたり、ワインも赤ワインだと赤っぽくできるし、白ワインでももちろんOK、バリエーションが可能なので、それぞれの家の味があって楽しい。
イタリアは乾燥しているので、卵も入らないこのお菓子は長期保存が可能、たくさん作り置きができて、しかもとても便利です。
 



チャンベッリーネ アル ヴィーノ
Ciambelline al Vino

<材料> 

薄力粉250グラム
砂糖100グラム
重曹またはベーキングパウダー 少々
塩 少々
オリーブオイル 60ml
ワイン 60ml
 
<作り方>
  1. ボウルに薄力粉、砂糖、重曹、塩を入れ、混ぜる。
  2. 粉類の真ん中をあけ、まずオリーブオイルを注ぎ、まわりの粉と、少しづつ、フォークで混ぜ合わせる。
  3. オイルがなじんだら、ワインも加え、手でひとまとめになるまでこねる。
  4. ボウルにぬれぶきんをかぶせ、1時間休ませる。
  5. 生地を直径1センチくらいの細長いひも状にのばし長さ8センチくらいで丸く円をつくり、両端を軽く抑える。
  6. オーブンシートを敷いた天板にのせ、180度に熱したオーブンで約15分でできあがり。
  7. ※お好みで出来上がりに粉砂糖をまぶしても美味。 

コロッセオ Colosseo

4/30/2012

 
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イタリアには文化週間がある。
あまり大々的に宣伝もせず、時期も不定期なため忘れがちだが、国立の美術館などに「無料」で入れるという企画である。

今年は、4月14日(土)~22日(日)。
息子の友人のお母さん(ガイドの仕事をしている)に誘われて、子供たちを連れて名跡コロッセオ(円形闘技場)へと出かけていった。
 
コロッセオといえば、20歳の時の初めてのイタリア旅行で、一番印象に残った場所である。

なにしろ、とてつもなく大きい。
幾度となく写真を見たことはあったが、こんなに大きいとは夢にも思ってなかった。

立体のすごさを思い知った。
しかも、町の真ん中に古代と現代が同居して、堂々とそびえ立つ姿に圧倒された。
まさしく、百聞は一軒にしかずと、ぼんやり口をあけて見とれてたら、あっという間に一人っきりでジプシーの子供に取り囲まれてしまったのである。
「助けて~」って叫んでも、もちろん後の祭り。
両手をばたばたさせて、追い払おうとしても、もちろん向こうが何枚も上手。

まわりの観光客も、誰も助けてくれない。
そのとき、離れたところで見てた同行の友人、普段はおとなしくてかわいらしい彼女が、見かねて「やめろ~、どけ~!!!」と大声で、
持っていたガイドブックを振りまわしながら走ってきて、すごい勢いでジプシーたちをばんばんたたき出したのである。
さすがの彼らも反撃に驚いて去っていき、事なきを得たのである。
なつかしのコロッセオ、涙のコロッセオである。
 
また、4年位前、たまたま夫の家族とコロッセオの近くのレストランで食事をした後、みんなでぶらぶらとコロッセオの近くまで散歩をしていた。
そのとき、まだ小さかった娘が、馬車に乗りたいと、珍しく駄々をこねだしたのである。

お姫様の馬車に乗りたいと。
観光客相手のあの馬車にである。
かわいい姪っ子の頼みなので、早速、義姉たちが値段を聞くと、たしか、たったの15分で80ユウロ(当時、約1万2千円くらい)。
さすが世界屈指の観光地。

すごすごと立ち去ろうとする私の後ろで、義姉たちは「ちょっと、私たちローマっ子に、なんて値段言うのよ。小さい姪っ子が乗りたいって言うから、乗せてあげようと思ったのに」と、勢いよく訴えたら、すぐに「じゃあ50ユウロでいいよ」。
観光地値段とは、こういうものなのである。
夢の馬車に乗った瞬間、なんと30秒で寝てしまったわが子だったが、私たち大人は、馬車で揺られて「やっぱりいいねえ」なんて、思いがけない旅行気分を楽しませてもらった。
 
話は戻って、今回のコロッセオ。「文化週間は、切符を買う列に並ばなくていいっていうメリットがあるの」と話していた友人、ところが、切符売り場は長蛇の列。
なんと、コロッセオは文化週間の時も例外で、有料だったのである。
フォロ・ロマーノ、パラティーノの丘、コロッセオ、共通券で12ユウロ。
コロッセオから車で15分程度のところに住んでるので、車からは何回も見ておなじみだが、入るのは今回が初めての5歳の息子。
カンピドーリオの丘に登って、フォロ・ロマーノの横を降りて、パラティーノの丘でパニーノを食べたあとに入ったコロッセオ。
小さいからか、内部の様子にあまりぴんと来なかったようだったが、さすがガイドのお母さん。
古代ローマ時代の闘った動物の骨が展示されているショーケースに連れて行くと、大感激で、動物の絵と見比べていた。
また、動物のおりの模型、剣闘士の説明書きの、剣や兜のデザインに大騒ぎして、彼らなりに楽しんだ一日だった。
 
ちなみにこのコロッセオ、今、剣闘士の扮装をして観光客と写真を撮ってお金をもらう人たちについて、話題である。
政府は、有名な観光地で、税金も払わずもうけている彼らをとりしまる方針を打ち出している。
ところが、「芸術家たちを迫害するな」とか、「われわれも含めてコロッセオである」とかさまざまな不思議な理由で、政府に抵抗している。
小心者の私には考えられない反撃であるが、どうなることやらである。  


パスクワ(復活祭)Pasqua

4/28/2012

 
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最近のローマは、雨も多く、朝は12度くらいでとても寒い。
このままでは農作物に影響がでるのでは、というくらい、お天気続きのあったかい3月の後だから、余計堪える。
今年のパスクワ(復活祭)が4月8日で、それからずっと冬に逆戻り。
誕生日は太陽暦で数えるキリストが、なぜ逝去の日が旧暦なのか毎年理解に苦しむが、おそらく旧暦であるがゆえに実際の気候と関連があるのか、毎年雨、もしくは天気が悪いと決まっているのである。

でも、復活祭のあとは、その名の通り、春が到来するはずなのに、今年は一向に冬のまま、まさしく、今年も異常気象である。
ところで、イタリア語で、旧暦のことを月暦という。
子供のころ、沖縄の行事が旧暦であることに、なんだか原始的なものを感じていたが、月暦というと印象が替わるから、日本語はおもしろい。


地方色豊かなイタリア料理、パスクワの料理も土地さまざまだが、ここローマは卵、羊肉、カルチョーフィ、などが定番である。
今年も我が家のパスクワのメイン料理は羊。
たてに半分に切った羊が、お肉屋さんで売られていて、それをにんにく、ローズマリー、塩コショウで味付けし、オーブンで焼いた豪快料理。

なんと今年は高級ワインの「サッシカイヤ2006年」まで登場して、大満足のパスクアであった。 
この時期、羊半分買うと、羊の頭もしくは内臓をおまけでつけてくれることが多い。
頭は、これも縦に半分に切ってくれるので、オーブン皿に切り口を上にしてじゃがいもと一緒に焼く。
私の大好物の魚の頭食べるのを嫌がる人がいるっていうことを、この羊の頭をみると理解できる。
魚を触るのが怖いという人に気持ちもわかる瞬間である。
さすがに食いしん坊の私でも、この羊の頭にだけは手を伸ばす気になれないが、特にイタリア人の男性に好まれる料理である。
一方内臓は小さく切って、ラードでいため、塩コショウ、マルサラ酒で香りを付ける。
内臓料理を食べる沖縄の人にぜひ一度味わってみてほしい。

オリーブの塩漬け Oliva culato in sale

12/10/2011

 
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我が家はみんな梅干が大好きである。なのに、こんなに果物の種類が豊富なイタリアだとうのに、日本の梅は見たことがない。
スモモや桃、プルーンの類は、たくさんの種類があるというのに。
なので、我が家では梅干は貴重品であり、梅干おにぎりは、子供の大好物の貴重なおやつである。

先日、関東出身の友人の子供がうちに遊びに来て、「うちはもう梅干がないんだって。もしあったら食べたい。」と、日本人離れしたモデル顔で言われ、(彼に流れるDNAが)感慨深かった。
日本人にとって、梅干はあって当たり前であり、どちらかといえば、かつて貧しかったころからの日本の食卓の必需品である。
私も、母や祖母のように家庭を持ったら当然梅干をつけるものだと思い込んでいたのが、ローマ暮らしで、まず不可能となり、さらに今回の東京電力の福島第一原発事故で、梅干だけじゃなく、日本の伝統的な食材が手に入りにくくなってしまった、と悲観していたのだが、先日、有機農業の市場を物色中に、梅干に代わる(?)イタリアの保存食つくりを思いついた。
オリーブの塩漬けである。
ローマの街中の市場でも、この時期、生のオリーブが手に入るのである。
今まで塩漬けオリーブを買ってきて、にんにくや唐辛子で自分流に味付けをしてきたが、今年は生から挑戦してみることにした。
せっかくイタリアに住んでいるのだから、ここだからできることを楽しめばいいという当たり前のことに気が付いた。
もちろん、これもみんなの大好物だし、梅干ほどの効果はないとしても、塩漬けだから発酵食なのではないだろうか。
日本でも、オリーブの木を育てることが流行っていると耳にしたので、もし、オリーブの実を収穫しても、使い方がわからない人のために、市場のおばさんに習ったレシピを紹介する。
ただ、私自身も初めての挑戦なので、できあがりがどうなるか楽しみにしている。
 
オリーブの塩漬けできあがった塩漬けオリーブを、にんにくなどと一緒に瓶に入れ、オリーブオイルで浸してさらに冷暗所で二週間くらいおくと、ワインに合うおいしい前菜となる。



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黒オリーブ
Olive Nere
<材料>

黒オリーブ 適量
岩塩 
オリーブの4%
 
<手順>
  1. 黒オリーブをさっと粗い水気を拭き、岩塩といっしょに保存用の瓶にいれ、硬くふたをし、冷暗所に保存。
  2. 一ヶ月半後、オリーブを、水で塩を洗い流し、布巾にひろげ、半日、よく乾かす。
  3. できあがり。


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緑のオリーブ
Olive verdi


<材料>
緑のオリーブ 適量
塩 オリーブのの10%
 
<手順>
  1. 緑のオリーブを洗い、ナイフで十字の切込みを入れる。
  2. たっぷり水を張ったボウルにオリーブを浸し、15日間、最低一日一回水を変える。
  3. オリーブの量の10%の塩分をとかした水を用意する。
  4. オリーブを布巾で拭き、半日乾して、③の塩水に漬ける。
  5. 翌日から食べられる。
 
ちなみに好奇心で、生の緑オリーブを味見してみたら、すごく苦かった。

だから、水を頻繁に変えるのであろう。
我が家には、オリーブの種抜きの道具があるので、種を抜いてみたのと、十字に切り込みパターンで、毎日水を変えている最中である。
15日後に味見をして、苦くなければいいのであろう。
きれいな緑がどんどん茶色っぽく変わっていくのを見ているのも興味深い。
保存食って、めんどうくさそうだが、昔の忙しい農家の主婦が、片手間にやっていたことなので、やってみると意外に単純で、経済的で、食品添加物なしで、いいことづくめである。
だといいんだけど!


栗のワイン煮 Castagne al vino

12/10/2011

 
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イタリアへ来たことがある人なら、街角で売られている焼き栗をご存知だろう。
特に寒い季節、焼き栗のいいにおいに惹かれる気分、それは、あの石焼き芋とおんなじである。
だけど、この焼き栗、値段も石焼き芋と同じで、なかなかおいそれと買えないのである。
とはいっても、イタリアは栗の国。

公園を散歩していが栗が道に落ちているなんて珍しくないし、ちょっと田舎に行けば栗を拾うことも難しくない。
市場でもスーパーでも、生栗がこの季節、どーんと並んでいる。
栗の蜂蜜に、栗粉のお菓子、ニョッキ、マロングラッセと、本当に栗を口にする機会が多い。

でも、日本で一般的な栗ご飯にあたる、栗リゾットなるものは見たことがないし、天津甘栗のようなものはみたことがない。
ここで一般的な家庭での調理法は、穴あきフライパンで暖炉などの直火で焼く、焼き栗。

または、オーブンで焼く焼き栗であろう。
一度栗をゆでたら、家族には不評、栗ご飯も甘くていやだといわれてしまったが、このイタリア風に焼くのはなんとなく面倒くさくて、もらい物の栗があっても、今までは放置してしまって食べないことが幾度か合った。
 
今年はちょうど頂き物の栗と同時に、友人宅でのバーベキューのお誘いがあったので、穴あきフライパンとともに栗を持参した。
直火で焼いた北イタリアの栗は、甘くこうばしく、ノヴェッロ(新酒)のワインとともに堪能した。
栗ってなんて赤ワインに合うんだろうって言う私に、栗の赤ワイン煮を教えてもらった。
簡単にできるうえに、ほんのり赤ワインの色と香りで、栗と赤ワインの好相性を再認識。
試作品を食べてもらった友人も、赤ワインが飲みたくなる、と大好評だった。
おまけに、栗嫌いだと思っていた子供たちも、写真をとる前にあっという間に平らげられてしまった。
ぜひ、生栗が手に入れば、フルーティな赤ワインとともにお試しあれ。



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栗のワイン煮
Castagne al vino 

<材料>
栗 適量
赤ワイン 適量




  1. 栗をしばらく水につけてやわらかくする(腕力のある人はしなくてもよいかも?)
  2.  栗の表面の皮を、真横にナイフで一文字に切り込みを入れる。
  3. フライパンに皮付きのままの栗を並べ、赤ワインを少量振り掛ける。
  4. ふたをして弱火で30分。時々、様子を見てひっくり返したり、水分がたりなければ、随時ワインを足す。
  5. できあがり。 

日本の栗より、イタリアの栗のほうが、ぷっくりと丸くて大きい気がするけれど、多分同じようにできるはず。
沖縄って栗の木あるのかな?


豚のほっぺた Guanciale

12/9/2011

 
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先日、うれしい頂き物があった、グアンチャーレ(豚のほほ肉のハム)とペコリーノチーズ(羊のチーズ)と赤ワインである。
グアンチャーレは、アマトリチャーナや、カルボナーラという名物パスタ料理を作るのに欠かせない材料。
日本のレシピ本では「パンチェッタというイタリアの三枚肉のベーコンが使われるが、普通のベーコンで代用可能」というふうにあるのだが、正式にはパンチェッタではなく、このグアンチャーレである。
脂肪分たっぷりのグアンチャーレ、私はカロリーが恐ろしくて買う気になれず、普段はわざとパンチェッタを使うのだが、イタリア人いわく、グアンチャーレのデリケートな甘みがいいんだそうだ。
しかも、‘伝統的な‘レシピでは、このグアンチャーレをオリーブオイルでいためるのである。脂身を油でいためる意味がまったくわからない。
昔の人は今と比べ物にならないくらい肉体労動が激しかったから、カロリーの高い食事が必要だったとか、冬は家の中も今よりずっと寒く、衣服も天然素材の物だけで寒さに耐えるには、体内に脂肪を溜め込むことが必要だったとか、いろいろな理由付けができるが、ローマの伝統的な庶民料理は、本当に高カロリーである。
でも、寒くなってくるこの季節、おいしい赤ワインと一緒に食べる高カロリーパスタは、なんともいえない冬の楽しみである。
そうそう、このワイン、知り合いの知り合いのワイン醸造家が、自分のお父さんの90歳を祝ったものだそうだ。
なんと言うことのない赤ワインだが、こういうエピソードは、なんだかうらやましいような話である。
ところで、沖縄では「豚の泣き声以外はなんでも食べる」といわれているけれど、ほっぺたの肉ってどう食べているのだろう?
今度帰ったら調べてみよう。



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ローマ名物スパゲッティ・アマトリチャーナAmatriciana
(4~5人分)
 
<材料>
スパゲッティ 400グラム
グアンチャーレ 100グラム
辛口白ワイン 少々
トマトの水煮缶 400グラム
赤唐辛子 一本
ペコリーノ ロマーノ 80グラム
<手順>

  1. なべに湯を沸かし、スパゲッティをゆでる。
  2. グアンチャーレを小さく切り、フッ素加工のフライパンで、唐辛子とともに、強火でいためる。
  3. ワインを注ぎ、アルコール分を飛ばしてから、グアンチャーレを取り出し、油を切って、暖かいところにおいておく。
  4. トマトを小さく切って加えしばらく煮詰め、唐辛子を取り出し、グアンチャーレを加え、さらに数分火にかける。
  5. パスタが湯だったらボウルにいれ、粉末にしたペコリーノチーズの半量とあえる。
  6. トマトのソースも加え混ぜ合わせ、残りのペコリーノも加える。
  7. できあがり。
 
本当はスパゲッティではなく、ブガティーニという真ん中に穴が開いた太いスパゲッティを使う。
太いのでフォークに絡まりにくく、あちこちソースが飛んでしまうという厄介な代物なのであるが、なぜかこれも‘正式‘である。
‘正式‘に使用するのはグアンチャーレとしたが、パンチェッタでも、ベーコンでももちろんOK。その場合は、にんにく1個、みじん切りにしたものも最初に一緒にいためたほうが、おいしい。
たまねぎの薄切りを加えるレシピもあり、私も栄養面から考えても加えるようにしているのだが、味に深みがでてこれはこれでおいしいと思う。でもこれは‘邪道‘らしい。
上記のレシピは、オリーブオイルでいためるところ以外、正式なアマトリチャーナである。


6月の食材… サヤインゲン Fagiolini

6/13/2011

 
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私は子供のころ、インゲンが大嫌いだった。歯でかむときにきゅっと音がするのがなんともいえず嫌だった。
ところが、ここイタリアでは、くたくたになるまで長くゆでるので、青臭さもなく、あのいやな音もなく、同じ野菜とは思えない。
私が日本風に“ゆでた”インゲンを、初めて食べた夫から「日本人は魚だけじゃなく、ゆで野菜まで“生”で食べるんだね」といわれたのを思い出す。
もちろん、ゆですぎは栄養分もなくなってしうまうのだけど、多分、イタリアの野菜は味があってアクが強いので日本よりたくさんゆでるのであろう。
暑い夏、インゲンをを大量にゆでて、ただ、オリーブオイルとレモンで食べる。
なんということはないが、飽きずおいしい。
ここでは、少し手を加えたコントルノ(付け合せ)をご紹介。



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サヤインゲン
Fagiolini

<材料>
インゲン 300グラム
たまねぎ 4分の1個
トマト 1個
オリーブオイル
塩


<手順>
  1. 厚手のなべに、両端を切り取ったインゲン、みじん切りたまねぎ、トマト、
  2. 水4分の1カップ、オリーブオイル大匙1、塩少々を加える。
  3. ふたをして、弱火で10分ほど、インゲンがやわらかく火が通っていたら、
    出来上がり。

    ヴェニカ&ヴェニカ 2001 インシエメ Venica & Venica 2001 Insieme

    5/18/2011

     
    ちょっと前の話になるが、45回目のワインフェア「VINI ITALY」(ヴィーニイタリイ)が、イタリア・ヴェローナで4月初旬に行われた。
    世界でもっとも大きいイタリアワインの展示会で、約4,000のワイン生産者が出品し、110カ国から15万6千人のワイン愛好家が訪れた。
    外国からの参加者の割合は、ドイツがトップで、アメリカ、カナダ、イギリス、
    スイス、フランス、オーストリアと続き、ロシア、中国、香港がベスト10である。
    日本からもかなりの参加者が訪れたとの記述があったが、今年は震災の影響だろうか?
    この有名なヴィーニイタリイのホームページでこんな記事を発見した。
     
    イタリア北部に位置するフリウリ・ヴェネツィア・ジューリア州の生産者「ヴェニカ&ヴェニカ」が今春発売された、希少なメルロー種の赤ワイン「インシエメ2001」の売上げ推定100,000ユーロ(現在の為替で約1,160万円)を、すべて日本の震災支援のために寄付するというのである。
     
    この赤ワイン「インシエメ2001」は、2001年の収穫後、2年間樽で寝かせても、まだ熟成が足りず、2003年に瓶に詰めてからも、毎年試飲を続けてきて、ようやくこの3月に十分熟成され、出荷できる手はずが整ったころ、テレビから、日本での悲惨な地震の映像が伝えられてきたとのこと。

    その瞬間、ワインを通して日本人と親交の深いこの生産者は、かなりの衝撃を受け、日本のための支援を決めた。

    今回の地震によって、自然による恐ろしい災害を被った日本へ、自然によるすばらしい恵みを受けたこのワインを提供することによって、この支援はより大きな価値あるものになるのではないか、そういう想いが込められているらしい。
     
    限定5,000本のこの貴重な赤ワインはすでに流通しており、この売上金はローマの日本大使館を通じて、順次日本への寄付金に当てられることになっている。
    将来的には、ワインを通しての、震災孤児支援の活動も計画中とのこと。
    なんともありがたい話である。
     
    今年も大成功を収めたヴィニイタリイ、もうすでに来年度の日程も発表済みである。
    2012年3月25日~28日。
    今から計画して、ぜひ、来年は行ってみたいものである。

    (Vinitaly Wine News より) 

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