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「つづける」ということ

5/13/2015

 
先日、いつも足を運んでくださるSさんから
1冊の本をお借りしました。
ちょうど、その数日前に新聞の書評で見かけて、
読みたい!と思っていた本だったのでうれしいびっくり。

本のタイトルは、「シェフを「つづける」ということ」。

1990年代後半から2000年代の初めにかけて、
イタリアで修業したシェフ15人の10年後を追ったノンフィクションです。
実は、小さいころから食いしん坊だった私が最初に選んだ就職先は
「辻調理師専門学校」。もちろん(!)教える方ではなく、
広報の職員としてでしたが、プロの料理人を育てる教育現場で働くことは、
それだけで好奇心とやりがいを満たすものでした。
仕事柄、卒業生のお店を訪ねたり、有名店に連れて行ってもらったり、
料理人の方々と直接お話をする機会に恵まれていました。
ワインを自宅で頻繁に嗜むようになったのも、この時期からで、
その後ワインを仕事にするようになって、
ますます飲食店さんと接する機会が増えていきました。
シェフの中には、ワインをご自分で選ばれる方もいらっしゃるので、
そのお料理や合わせるワインに関するやりとりは、
楽しくも貴重なひととき。
この本に登場する、首里の「リストランテ・ラビュー」の青木シェフも
イタリアで培われたワインの知識が半端なく、
シェフの眼で選ばれるワインからは勉強になることばかりです。

著者が10年前に取材したシェフたちは今、中国で、シンガポールで、日本各地で、
あるいは再びイタリアで、シェフを続けていました。それぞれの10年。
現地での苦悩、帰国後の挫折や成功、そして現在の心境、
ひとりひとりのヒストリーが淡々と語られている分、
なおさらグッとくるものがあります。
先が見えず、自分がどこに向かっているのか、
求めているものが何だったかすら、わからなくなったとき・・・
たしかに、著者が最後に記している通り、「つづける」ことの難しさは、
どんな仕事や生き方にも通じる真理。
「彼らの言葉が、職業や立場を越えて聴く者の胸を打つのは、
いつのまにか、他ならぬ自分自身と置き換えて聴こえてくるからだろう」
という一文にこの本のすべてが表れているように思いました。

「つづける」ということ。
ちょうど先月、4周年を迎えたグラナートに、なによりの1冊でした。感謝!


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