初めてワイン販売の仕事に就いたとき、前任者との引継ぎは2か月でした。
ソムリエさんや玄人(くろうと)のお客さんが大半というグランヴァン専門店でひとり応対することになる厳しい現実を思んばかってかその前任の方はわずか2カ月で本当にたくさんのことを教えてくださり、たくさんのワインを一緒に試飲してくださりました。
今でもその時に教わったこと、ワインの数々が私の原点になっています。
ワインが好きで飛び込んだ仕事とはいえ、いざ囲まれてみると知らないワインばかり。
イタリアワインなら多少は・・・、というわずかな自負もミジンコになりひとりになる日への不安に駆られ、逃げ出したい気持ちになっていく中ある晩、その前任の方が「一緒に飲もう」と開けてくださったのは店の主力のボルドーではなく、1本のイタリアワインでした。
ソムリエさんや玄人(くろうと)のお客さんが大半というグランヴァン専門店でひとり応対することになる厳しい現実を思んばかってかその前任の方はわずか2カ月で本当にたくさんのことを教えてくださり、たくさんのワインを一緒に試飲してくださりました。
今でもその時に教わったこと、ワインの数々が私の原点になっています。
ワインが好きで飛び込んだ仕事とはいえ、いざ囲まれてみると知らないワインばかり。
イタリアワインなら多少は・・・、というわずかな自負もミジンコになりひとりになる日への不安に駆られ、逃げ出したい気持ちになっていく中ある晩、その前任の方が「一緒に飲もう」と開けてくださったのは店の主力のボルドーではなく、1本のイタリアワインでした。
ジュゼッペ・クインタレッリ
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ・クラッシコ 1998
ゆったりとした落ち着いた果実感で、まるでブランデーのような濃厚な風味が漂った赤ワイン。
しなやかで深みのある味わいに、余裕のない心が静かにほぐれていくような感覚が忘れられません。
「高い品格と結びついた存在感において、ジュゼッペ・クインタレッリこそ巨匠である」by マット・クレイマー 。
先月(1月)15日に亡くなった、アマローネの巨匠ジュゼッペ・クインタレッリ。
氏のアマローネはあの夜の一度しか飲めていませんが、感動という言葉以上のものを味わった、大切な思い出のワインです。